アメリカ債券利回りは一服/FOMCはツイストオペと補完的レバレッジ比率規制緩和の言及に注目

アメリカの市場関連ニュースをまとめて分かりやすく解説します。

3/18更新:FOMC要点解説記事をアップしました。
【FOMC要点解説】ゼロ金利維持も補完的レバレッジ比率規制緩和延長判断は持ち越しへ!

以下の記事も参照していただくとより理解が深まるかと思います。

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マーケットは失望感が広がり株価3日続落へ!ニュース徹底解説
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FOMCにて言及が注目されているツイストオペと補完的レバレッジ比率規制緩和についても解説していきます。

3/10 アメリカ市場 

3/10のNYダウは最高値を更新。一時500ドルを超えて上昇しました。
一方でナスダックは朝方上昇したものの、勢いは続かず前日比マイナス5ポイントとなりました。

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https://nikkei225jp.com/nasdaq/

消費者物価指数(CPI)予想とほぼ一致

米連邦準備理事会(以下FRB)が特に注目しているとされる消費者物価指数(以下CPI)の結果は前月比+0.4%となり予想と一致。ガソリン価格は+6.4%と上昇が目立ちます。

また変動の激しい食品とエネルギーを除いたコアCPIについては+0.1%となり、インフレが急速に進んでいる兆候は見られませんでした。

追加経済対策案が再可決

10日の取引時間中にはアメリカ議会下院が1.9兆ドルの追加経済対策案を再可決したと報じられ、主に景気敏感株に資金が流れる形となりました。バイデン大統領が署名し、12日に成立する予定となっています。

追加経済対策の目玉は以下の3点となっています。

①1人当たり最大1,400ドル(約15万円)の現金給付を行う。ただし修正を受け所得上限については年収10万ドルから8万ドルへ引き下げ

②9月初旬までは失業給付の特別加算として、週300ドルを上乗せして支給される

③州政府などの支援に3,500億ドルを割り当てる

財政赤字膨らむ

2月のアメリカ財政収支は3,109億2,200万ドルの赤字となり、昨年より32.2%拡大となりました。

主に打撃を受けている中小企業を支援する支出が膨らんでおり、21会計年度の財政赤字は5ヶ月間で1兆ドルを突破する事態となっています。

アメリカ10年債入札

落札金利は1.523%と直近の市場金利をわずかに上回る結果となりましたが、混乱は見られず無難にこなした形と言えるでしょう。

現在の利回りは1.494%と比較的落ち着いている印象です。

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https://nikkei225jp.com/nasdaq/

FOMC(連邦公開市場委員会)に注目

来週のイベントは16.17日のFOMCが最も注目されます。

前回のパウエル議長発言の際には触れられなかったツイストオペと補完的レバレッジ比率(SLR)の規制緩和継続について言及されるかどうかが重要なポイントとなります。

※ツイストオペ

ツイストオペとは、中央銀行が短期債の売りと長期債の買いを同時に行う公開市場操作です。

国債は買い手が増えれば価格が上昇するため、相対的に利回りの低下に繋がります。

資金供給量を一定に保ったまま現状下げ切っている短期債を売り、そこで得た資金で長期債を購入することにより長期金利の急上昇に歯止めをかけられるためツイストオペは現状に適した施策と言えます。

※補完的レバレッジ比率(SLR)の規制緩和

補完的レバレッジ比率規制とは、資産規模に応じて一定比率以上の資本を保有することを銀行に義務付けている制度。リーマンショック後、景気悪化時に金融機関の破綻リスクを低減させるためにFRBが導入したものです。

2020年の経済危機を受け、融資を促す狙いで上記規制を緩和することとなりました。

しかしこちらの規制緩和は2021年3月31日までが期限となっており、再び規制が行われることにより金融機関は資本を積み増す義務が発生してしまうため上記規制緩和の延長が行われるかどうかがカギとなっています。

簡単に言うとFOMCでアメリカの債券利回りを下げるための発言をするかどうかが重要ということですね。

所感

注目されていたCPIと10年債入札を無難に終え、市場はひとまず一服といったところです。
ダウは最高値を更新する一方、ナスダックはなかなか素直に上がらない展開と明暗が分かれる形となっています。

個人的にはハイテク系など上値の重い銘柄を多く抱えている場合は市場が上げている時に細かく利益確定し、徐々にオールドエコノミーやバリュー銘柄もポートフォリオに加えてバランスを取っていきたいところです。

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