アメリカ市場ニュースまとめ/日銀ETF買いの行方は?マーケット解説

直近のマーケット関連ニュースをまとめて分かりやすく解説します。

3/18更新:FOMC要点解説記事をアップしました。
【FOMC要点解説】ゼロ金利維持も補完的レバレッジ比率規制緩和延長判断は持ち越しへ!

以下の記事も参照していただくとより理解が深まるかと思います。

アメリカ債券利回り上昇警戒!株価下落の行方は?ニュース徹底解説
マーケットは失望感が広がり株価3日続落へ!ニュース徹底解説

後半では話題となっている日銀ETF買いの行方についても解説していきます。

3/8アメリカ市場 明暗分かれる

3/6にアメリカ上院が1.9兆ドルの追加経済対策を可決したことが好感され、
ダウは300ドルを超えて上昇。特にディズニー($DIS)が最も大きく株価を上げました。
ディズニーは営業規制を緩和したことでテーマパークの再開期待が高まったことが要因と考えられます。

景気回復期待と共にインフレ懸念は続いており、長期金利の目安とされるアメリカの10年債利回りは1.6%まで上昇、NASDAQは2%を超えて下落となりました。

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https://nikkei225jp.com/nasdaq/

またドル円は1ドル109円を突破。
買われ過ぎ、売られ過ぎを表す指標であるRSIは2016年11月の大統領戦後付近の高水準となっています。

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北海ブレント原油先物 一時上昇

サウジアラビアの石油関連施設が無人機の攻撃を受けたことにより、供給懸念から一時71ドル台まで上昇しましたが、その後は一服しています。
上記に加え追加経済対策などによる世界経済の回復期待も要因と言えるでしょう。

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出典:Investing.com

イエレン財務長官発言

イエレン氏は3月8日、MSNBCとのインタビューに対し「経済対策はアメリカ経済が力強く回復するためのエネルギーになる」と発言した上で「順調に進めば、2022年には危機前の完全雇用の状態に回復する」と予測しました。

同氏は2月8日にも同様の見解を示していましたが、「パッケージが不十分であれば、雇用と経済の回復は遅れる恐れがある」とも指摘。

追加経済対策についてはサマーズ元米財務長官は先週の米紙ワシントン・ポストの論説で「規模が大き過ぎる可能性があり、インフレなど大きなリスクを伴う」と指摘しましたが、イエレン氏は「そうしたリスクは、現状から力強く脱却するために現時点で十分な支援を行わないことによる傷に比べれば小さい」と主張し、サマーズ氏の懸念を退けた形となりました。

一部修正されて上院を通過した追加経済対策案は今週中に下院で再可決される見通し。
バイデン大統領の署名で成立となります。

雇用には強気の姿勢目立つ

雇用について、金融大手ゴールドマンサックスのエコノミストは2月に6.2%だった失業率が年内に4.1%まで改善するとの見通しを発表。

イエレン氏と同じくアメリカ雇用において強気の姿勢が目立つ形となっています。

U.S. economy added 379,000 jobs in February, slowly closing pre-pandemic gap
出典:bloomberg

アメリカ10年債券利回りの上昇余地は

1.6%台をつけたアメリカ10年債利回りについて、ここからの上昇は緩やかになるとの意見も出てきています。

理由としては下記が挙げられます。
・日米金融機関は現在史上最高規模である800兆円の余剰資金がある
・年金/保険機関等も年度末は利回り、安全資産狙いで買いが入ってくる

目安として1.8%を超えたあたりから買いが入ると予想されています。

10日(日本時間では11日3:00)にはアメリカ10年債の入札も行われるため、こちらで出てくる数値も注目されます。

以上がアメリカのマーケットと注目ニュースとなります。
最後に日本の注目ニュースを見てみましょう。

日銀雨宮副総裁の発言

日本銀行の雨宮正佳副総裁は8日、日銀がイールドカーブ・コントロール(長短金利操作)の下で0%程度に誘導する長期金利に関連し、「緩和効果が損なわれない範囲内で金利はもっと上下に動いてもよい」との見解を示しました。

先日の黒田総裁による「金利変動幅を拡大する必要があるとは考えていない」との発言と温度差のある形となっています。

同氏の発言を受けて債券先物は夜間取引において下げ幅を拡大する形となりました。

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日銀ETF買いの動向に変化

日銀ETF買いに見直しの動きが見られます。

日本銀行はETF買い入れについて明確な基準は公表していませんが、以下のような買い基準があると言われていました。

・TOPIXの前場下落率が0.5%以上
・TOPIXが二日連続下落した翌日、TOPIXの前場下落率が-0.25%以上

しかしながら2月は上記条件でも買いが入らず、2/26に日経が1200円と大幅に下落した際のみ買いが見られました。ただし1度の買いは501億円と規模縮小が見られます。

ちなみに日本銀行が買い入れるETFは相場動向に関わらず買い入れる「人材・設備投資ETF」と、相場が下落した時に買う通常のETFの2種類があり、今回見送ったのは通常のETFとなります。

買い入れがなかったのは2016年3月以来、実に5年ぶりとなっており、市場ではETF買いの見直しに向けた布石との見方が浮上しています。
3月18,19日に金融政策決定会合が開かれイールドカーブ・コントロール(長短金利操作)政策の運営やETF買い入れ方法の見直し等が検討対象になっているため、こちらも注目が集まります。

所感

アメリカ市場では相変わらず金利上昇懸念によるナスダックを中心とした下落が目立ち、対照的に金利上昇の恩恵を受ける金融や保険の他、景気回復期待銘柄の上昇とは明暗が分かれる展開となっています。

また日銀のETF買い見直しと見られる動きを織り込んでかファーストリテイリング(ユニクロ)、アドバンステスト(半導体)などの株価は上値の重い展開が続いています。

今週も株価は上下を繰り返す不安定な展開となりそうです。
安易に押し目を狙わず、上記懸念が及ぼす影響を加味した上で慎重な投資判断を行いたいものです。

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