補完的レバレッジ比率(SLR)を分かりやすく解説!【銀行株下落】

FRBが補完的レバレッジ比率(SLR)規制延長が行わなかったことで銀行株が軒並み下落しています。
投資初心者の方向けに分かりづらい用語については注釈も入れた上で分かりやすく解説します。

⬇︎以下の記事も参照していただくとより理解が深まるかと思います
【FOMC要点解説】ゼロ金利維持も補完的レバレッジ比率規制緩和延長判断は持ち越しへ!

補完的レバレッジ比率

※補完的レバレッジ比率(SLR)の規制緩和
補完的レバレッジ比率規制とは、資産規模に応じて一定比率以上の資本を保有することを銀行に義務付けている制度。リーマンショック後、景気悪化時に金融機関の破綻リスクを低減させるためにFRBが導入したものです。

2020年の経済危機を受け、融資を促す狙いで上記規制を緩和することとなりました。

しかしこちらの規制緩和は2021年3月31日までが期限となっており、再び規制が行われることにより金融機関は資本を積み増す義務(保有している国債を売らなければならない=金利上昇)が発生してしまうため上記規制緩和の延長が行われるかどうかがカギとなっていました。

3月16.17日のFOMCにてパウエル議長は「補完的レバレッジ比率規制の延長可否については数日中に発表する」と発言しましたが、結局延長はされませんでした。

なぜ延長しなかったのか

これだけ金利上昇が懸念されていた中、補完的レバレッジ比率(SLR)の規制緩和はなぜ延長されなかったのでしょうか。

要因は大きく2つあります。

①FRBは、米国債市場は十分に安定しており、銀行の資本はパンデミック前の要件に戻しても耐えられるだけの高い水準にあると判断した

②民主党が金融規制に積極的な議員が多く、米上院民主党のエリザベス・ウォーレン議員を始めとして規制緩和を延長すべきでないという声が多かった

民主党のウォーレン議員とシェロッド・ブラウン議員(現在は上院銀行委員長)は金融当局に宛てた書簡で、「レバレッジ要件の下で銀行の顧客からの預金受け入れ能力と準備吸収能力に不安があるという限り、監督当局は銀行の資本還元を停止させるべきだ。株主と経営幹部に現在還元している資本でバランスシート拡大を一部手当てできるのではないか」と訴えていました。

株主還元を行う余力があるなら規制緩和を延長する必要なんてないよね、ということですね。
マーケットとしては規制緩和が延長されるとの予想が多かったため、この発表はサプライズとなりました。

銀行株が続落

下図はアメリカの代表的なS&P500指数の直近1週間のパフォーマンスです。
補完的レバレッジ比率(SLR)の規制緩和終了の発表以降、銀行株(下図左下のFINNANCIAL-BANKS-DIVERSIFIED)は軒並み続落となってしまいました。

出典:finviz

主に銀行株で構成されているETF「XLF」も3月18日をピークとして続落となっています。

出典:Trading View

アメリカ10年債利回り

アメリカ10年債利回りは先述したことも一因し、上昇圧力が強まり一時1.74%を突破しました。

BMOキャピタル・マーケッツのストラテジスト、ダン・クリーター氏は「約2000億ドル(約22兆円)相当か、さらに大量の米国債が売られる可能性をわれわれは想定している」と指摘。銀行の資本要件が今後どうなるかはっきりしないため、先行きはなお「非常に不透明」との認識を示しています。

出典:Trading View

所感

以前のブログにも書いた通り、規制延長がされなかったことによりマーケットは再び波乱となっています。

もちろんこのことだけが要因ではなく、欧州での再びの感染拡大懸念や米中関係の悪化など様々なネガティブ材料が組み合わさっていることもマーケット全体を不安定にしていると言えます。

また例年3月下旬は全体的に株価が下落する時期と言われています。日々のニュースを注視し、下がっている銘柄については底打ちを確認してから買いを入れたいものです。

今後も投資初心者の方向けに分かりやすい情報発信を続けていきます。皆さんの投資知識を深める上で少しでも役立てていただければ幸いです。

コメント