アメリカ10年債利回り上昇は一服/グロース株へ再び資金流入!最新ニュース解説【GAFAM】

10年債利回り上昇が一服したこともあり、GAFAMを中心としたグロース株へ再び資金を戻す動きとなっています。

この記事ではFRBパウエル議長の発言など最新のニュースを元に、今後の投資戦略についても解説していきます。

アメリカ10年債利回り-1週間の流れ

4/2に発表された雇用者数が予想を上回り、市場が織り込む利上げ開始時期が早まったことから債券が売られ、10年債利回りは一時1.7%を超える水準となりました。
(なお同日は祝日のため、米国債市場は東部時間正午までの短縮取引)

出典:ヤフーファイナンス

しかしながら週明けから10年債利回りは落ち着きを見せ、週間で見るとひとまず上昇一服となっています。

出典:世界の株価
出典:Trading View

要因としては4/8に開かれたIMF(国際通貨基金)の討論イベントでのFRBパウエル議長の発言が挙げられます。

IMF春季会合のバーチャルパネル討論会に参加したパウエル議長は、経済活動再開などで物価上昇がみられたとしても一時的なものであり、インフレが制御不能になるリスクは懸念していないとの見解を示しつつ、自身の通勤時に「テント村」を通る際、多くの米国民がなお仕事を失ったままの現状に思いをはせていると述べました。

引き続き緩和的な政策運営が必要との姿勢を示したことで債券売りが落ち着いたものと考えられます。

またニッセイアセットマネジメントの松波俊哉氏は4/9のニュースモーニングサテライトにて、

「FOMCのメンバーが予想したドットプロットによるターミナルレート(現状2.5%)と長短金利差のスプレッドが過去2回のボトム近辺(1回目はバーナンキ元FRB議長が緩和縮小した際に起きたテーパータントラムをきっかけとした金利上昇局面、2回目はトランプ前大統領が減税策を発表した際)に到達している」とした上で、

利回りに魅力を感じたファンドなどが債券買いに走ることで短期的に10年際利回りの上昇余地が狭まってきた」と述べています。

マーケットへの影響

4/5〜9までのS&P500週間パフォーマンスは以下となっています。

出典:finviz

GAFAMを中心にハイテク、グロース株への資金を戻す動きが見られますね。

この週でマイクロソフト($MSFT :Microsoft)、アルファベット($GOOGL :Google)、フェイスブック($FB :Facebook)は上場来高値を更新しました。

出典:Trading View
出典:Trading View
出典:Trading View

今後の懸念

長い調整局面を終えてようやく活気が戻ってきたように思われる株式市場ですが、このまま堅調な流れが続くのでしょうか。
ここからは個人的に考える今後の懸念と投資戦略について解説したいと思います。

まず今後の懸念については大きく3つが挙げられます。

①決算への大きな期待
大規模な緩和政策が続く中、マーケットは世界経済の正常化を見越したより先の未来を見ており、業績から見た株価の妥当性をより厳格に見極めようとしてきているように見受けられます。

銀行を皮切りに始まる決算シーズンに向けてその流れは一段と加速する可能性があるため、好業績を期待して株価が大きく値上がりしている銘柄は特に注意する必要がありそうです。

②米インフラ投資計画の先行き
インフラ投資計画の詳細は下記記事も参照ください。

【アメリカインフラ投資】8年間で2兆ドル/増税・インフレ懸念も!マーケットへの影響とは

巨額の投資計画によって半導体銘柄などには再び資金が戻ってきていますが、財源を企業増税で賄う点については野党などから反発の声も上がっています。

バイデン大統領は「話し合う余地がある」としており、今後具体的な法案を取りまとめる形となりますが、投資金額の減額などによって期待で上がっていた株価が下落するリスクがある点には注意が必要です。

③米中ハイテク摩擦
アメリカの商務省が中国のスパコン関連のハイテク企業・団体を輸出禁止の対象にするなど、制裁を加える動きが見られています。
米中のハイテク摩擦が過激さを増すことになれば株価にも悪影響を及ぼす可能性がある点は頭に入れておいた方が良いでしょう。

投資戦略

不安を煽るような形となりましたが、先述したリスクはありつつも金融緩和が続くこと/業績が回復する企業が増えていくことからマーケットは緩やかに上昇していくと考えています。

以下リスクを踏まえた上で個人的な投資戦略を述べたいと思います。

①グロース投資の中でも上値ブレイク狙い/売られすぎ銘柄に分ける
成長株に投資する場合、基本的には上値を追う形が多いかと思いますが、金利上昇局面において売られすぎていた銘柄にも投資をすることでリスクを分散できると考えています。

上値を追っている銘柄については決算や月次の期待が大きくなっているため、業績から見た株価が割高と判断された際に調整するリスクがあります(これは昨年の相場でも同じですが)

売られすぎていた銘柄が引き続き好決算を出すことにより、改めて銘柄が評価されアップサイドが狙いやすくなると考えられます。
ただし巣ごもり恩恵銘柄など特殊要因で好業績となった銘柄は避け、長期的に利益を出すことのできる銘柄を選択することが重要と言えるでしょう。

②テーマ投資は国を分けるorETFなどでリスク分散を図る
米中摩擦などの影響でリスクのあるテーマ(半導体など)は主に売上を上げている国が偏らないよう投資する銘柄を分けたり、ETFなどで分散を図ることでリスクを抑えることができると考えられます。

例えば半導体ETFのSMHなどはアメリカの銘柄の他に台湾セミコンダクター($TSM:台湾)やASML($ASML :オランダ)の銘柄も組み入れられており、比較的リスクを抑えた投資ができそうです。

出典:Trading View
出典:ETF.com

アメリカの比率が高いと感じる場合は個別で日本企業の銘柄を追加しても良いかもしれません。
日本の半導体銘柄は高いのでLINE証券などで1株単位で購入するのも良い戦略と言えます。


もちろんテーマ全体が落ち込んだ際は素早い損切りが必要ですが、大きな損失は防ぐことができるでしょう。

所感

現在はGAFAMを中心とした大型ハイテク株へ資金が流れていますが、次第に堅調な業績を上げている中小型株にも再び注目が集まってくると考えています。

2020年のような1日で数十%も株価が上がる地合にはなりづらいと思われるため、1.2年後を見据えた形で未来ある銘柄に投資を行うことで着実に資産を増やしていくことが重要と言えます。


今後皆さんの投資判断をする上で参考にしていただければ幸いです。

※ここまで個別株式の分析も行いましたが、本記事は銘柄を推奨する目的ではありません。
投資はくれぐれも自己責任でお願い致します。

コメント