【日米首脳会談】地政学から考える今後の投資戦略!【ウイグル自治区問題】

今回はマーケットを地政学の観点も交えた視点で見た上での投資戦略について解説していきます。
米国株・中国株などに投資される方はもちろん、日本株に投資される方にも非常に重要な内容となっています。

地政学とは

地政学(Geopolitics)とは国家の地理的な環境が政治・経済にどのような影響を与えるのかを研究する学問となっています。
一般的なメディアではあまり語られることはなく、普段の生活でも思想や宗教などが絡みセンシティブな面に触れる可能性があることからなかなか話す機会もないものと言えるでしょう。

しかしマーケットは常にマクロ環境にも影響を受けて動いている以上、投資を行う上で地政学の観点は最低限頭に入れておきたいところです。

今回の記事では特に現在マーケットリスクとして捉えられている日米首脳会談以降の対中関係悪化懸念を軸に解説していきたいと思います。

※本記事の内容は個人的意見を排し、あくまで投資的観点からお話するものです。
特定の国・文化・思想・宗教に対して意見を述べるものではございません。

日米首脳会談-対中関係悪化懸念


4月16日に行われた日米首脳会談にて、両首脳は日米同盟の結束を示す共同声明を出しました。
その中で中国が軍事的圧力を強める台湾海峡について「平和と安定の重要性を強調する」「両岸問題の平和的解決を促す」との文言が入りました。
日米間において台湾への言及がなされるのは実に52年ぶりとなっています。

出典:日本経済新聞

また香港と新疆ウイグル自治区の人権状況を巡り、共同声明において「深刻な懸念を共有する」と表現しており、日米が結束して中国の行動に反対する姿勢を明確に示すこととなりました。

これに対して中国の習近平国家主席は20日、アジアを中心に政財界の要人が集まる博鰲アジアフォーラムで講演し、「デカップリング(分断)は経済秩序に反し、誰の得にもならない」と語っています。

対中関係の悪化を懸念して特に中国依存度の高い銘柄を中心に売りが広がったことも日本株が軟調となっている一因と言えそうです。

中国依存度の高い銘柄:コマツ、クボタ、住友化学、ダイキン、TDK、村田製作所など

またスマートフォンやPC、データセンター、車、家電製品などあらゆるモノに使用されている半導体の受託生産大手、TSMC($TSM 台湾セミコンダクター)の上値が重いことも台湾有事を懸念しての動きと推察されます。

新疆ウイグル自治区問題

中国の新疆ウイグル自治区で強制労働が行われていることによる世界的な批判が強まっています。

米国の機関投資家団体ICCRは3月下旬、同地区の強制労働などに関わっていると思われる47社に取引先の詳細などを開示するように求めました。対象企業には日本を代表するアパレルブランド、ユニクロを運営するファーストリテイリングや無印良品を運営する良品計画も含まれています。

出典:日本経済新聞

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なお、マーケットはウイグル問題そのものよりH&Mで実際に起こった中国で販売している商品が締め出しに合うなど直接的な売上への打撃が懸念していると考えられます。

今後の投資戦略

日米首脳会談で日本の立場は政治的にはよりアメリカ寄りと捉えられた一方で、経済的な面では依然として中国に頼る部分は大きく難しい立場と言えます。

中国側としては

2021年7月:中国共産党創立100周年を迎える節目
2022年2月:北京オリンピック開催
2022年秋 :習近平氏が党大会で総書記3期目目指す?

といった重要イベントを控えていることから直近はなるべく大事にしたくないと思われますが、
売上面で中国依存の大きい銘柄にはやはり注意が必要かと思います。

具体的な戦略としては

日本株/米国株
・極力中国における売上比率の低い銘柄を選定
⇨決算短信などから海外売上高比率を確認し、中国依存度が強いものは投資対象から外す

中国株
・感染症によるグローバル化の停滞は内需でうまく経済を回している中国にとってあまり痛手ではないため、内需の強い銘柄を選定
⇨ただし、アリババ($BABA)など中国当局からの風当たりが強いものは投資対象から外す

ことで比較的リスクを抑えた投資ができるかと思います。
特に今の時期は企業決算が相次ぐため、2022年の通期見通しや中期経営計画の中身をよく見て投資を行うことをおすすめします。

所感

4月22日に開かれた気候変動サミットでは各国手を取り合って脱炭素化社会を実現するという共通の目的があるため、関係悪化の緩和を期待してかマーケット全体は前述したリスクを織り込み、一旦落ち着いたように見られます(バイデン政権のキャピタルゲイン税増税については別問題)

しかしながら先程取り上げたファーストリテイリングやTSMCなど個別銘柄の動きを見ていると、アメリカの10年利回り上昇時に株価を下げたままなかなか値を戻せていません。
仮にPERなどから見て割安だとしても、買いを入れる前にリスクについて調べてからの方が良いでしょう。

地政学についてははじめにも述べた通り、中立的・客観的な視点で知ることが難しいものですが、
個人的には奥山 真司氏著「サクッとわかる ビジネス教養  地政学」をオススメします。

図解も豊富で分かりやすく、ニュースや新聞だけ見ていても理解しづらい部分がすっきりし、投資を行う上で役立つかと思います。

サクッとわかる ビジネス教養  地政学

引き続き重要ニュースについては追ってTwitterやブログ、YouTubeにて更新を続けていきます。
皆さんの投資判断をする上で参考にしていただければ幸いです。

※ここまで投資戦略についても述べましたが、投資判断はあくまで自己責任として皆様自身で行っていただきますようお願い致します。

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