【FOMC要点解説】ゼロ金利維持も補完的レバレッジ比率規制緩和延長判断は持ち越しへ!


3/24 更新記事をアップしました。
補完的レバレッジ比率(SLR)を分かりやすく解説!【銀行株下落】

今回は3/16.17に開かれたFOMCの要点をまとめて分かりやすく解説します。
投資初心者の方向けに分かりづらい用語については注釈も入れています。

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金融政策と物価上昇率

アメリカのFRBはFOMCで現在のゼロ金利政策を2023年末まで維持する方針を表明しました。

※FRB
連邦準備理事会、日本における日本銀行の役割を果たしています。

※FOMC
連邦公開市場委員会、アメリカの金融政策を決定する会合のことです。日本では日銀金融政策決定会合で金融政策を決定していますが、それに当たるものがFOMCです。
FOMCは年に8回開催され、現在の景況判断と政策金利(FF金利)の上げ下げなどの方針が発表されます。その結果が市場の予想と違った場合には、世界の金融マーケットにも大きな影響を及ぼす場合があります。

また経済見通しについてはワクチンの普及や1.9兆ドル規模で行われる経済対策から景気については大きく持ち直すとの見通しを示し、物価上昇率については今年中で一時的に目標としている2%を突破すると予測しました。

FRBは景気回復後も長期の緩和を維持し、市場が懸念していた早期の利上げについては一旦行われない方針となりました。

政策金利見直しのドットチャート

出典:Bloomberg

声明と同時に発表された経済予測では、FOMC参加者18人のうち7人が「2023年末までに利上げが実施される」と予想。
昨年12月の会合では同予想をしたのは参加者17人のうち5人だったため、金融緩和策の早めの巻き戻しを見込む参加者の割合がやや増加したことが示されました。

経済成長と労働市場予想

FOMCは経済成長と労働市場の予想を上方修正しました。参加者の中央値では失業率は21年末で4.5%、23年には3.5%にそれぞれ低下すると予想。国内総生産(GDP)は今年6.5%増と、前回予測での4.2%増から更に上向きに修正されました。

ツイストオペと補完的レバレッジ比率規制緩和延長への言及

FOMCではツイストオペについては言及されず、補完的レバレッジ比率(SLR)の規制緩和延長可否については数日中に発表すると発表されました。

※ツイストオペ
ツイストオペとは、中央銀行が短期債の売りと長期債の買いを同時に行う公開市場操作です。

国債は買い手が増えれば価格が上昇するため、相対的に利回りの低下に繋がります。

資金供給量を一定に保ったまま現状下げ切っている短期債を売り、そこで得た資金で長期債を購入することにより長期金利の急上昇に歯止めをかけられるためツイストオペは現状に適した施策と言えます。

※補完的レバレッジ比率(SLR)の規制緩和
補完的レバレッジ比率規制とは、資産規模に応じて一定比率以上の資本を保有することを銀行に義務付けている制度。リーマンショック後、景気悪化時に金融機関の破綻リスクを低減させるためにFRBが導入したものです。

2020年の経済危機を受け、融資を促す狙いで上記規制を緩和することとなりました。

しかしこちらの規制緩和は2021年3月31日までが期限となっており、再び規制が行われることにより金融機関は資本を積み増す義務(保有している国債を売らなければならない=金利上昇)が発生してしまうため上記規制緩和の延長が行われるかどうかがカギとなっています。

10年債利回りは乱高下を繰り返しており、上記の懸念が払拭されていないことからいつ急上昇してもおかしくなく、今後も目が離せない状況と言えます。

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3/17 マーケットの反応

3/17のアメリカ市場は揃って上昇となりました。1日の値動きで見るとFOMC懸念でハイテク株がやや巻き返したものの、前日比では特段目立った変動は見られない形となっています。

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出典:finviz

所感

FOMCはひとまず大きな混乱もなく、無難に通過した印象です。しかしながらSLR延長についての言及は持ち越されるなど、金利上昇に対する懸念は残ったままとなっています。

また今週金曜日は米国市場において株式先物取引、株価指数オプション取引、個別株オプション取引の3つの取引期限満了日が重なる「トリプルウィッチング」を控えており、SLR延長の可否によってはマーケットはもう一波乱起こる可能性もあるため、3月末までは様子を見ながら取引をする方が安全と言えるでしょう。

今後も投資初心者の方向けに分かりやすい情報発信を続けていきます。皆さんの投資知識を深める上で少しでも役立てていただければ幸いです。

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