日銀短観について分かりやすく解説!景況感の二極化鮮明に【業況判断DI】

4/1に発表された日銀短観について分かりやすく解説します。

日銀関連ニュースは下記の記事も参照いただくとより理解が深まるかと思います。
日銀関連ニュースまとめ解説/金融政策決定会合で今後どうなる日経平均株価

短観(全国企業短期経済観測調査)とは

日銀短観(全国企業短期経済観測調査)とは、日銀が年4回(3.6.9.12月)景気の現状と先行きについて全国の約1万社の企業を対象に直接アンケート調査をし、その集計結果や分析結果をもとに日本の経済を観測するものです。

調査では全国の大手企業と中小企業、製造業と非製造業などで分け、業績や状況・設備投資の状況・雇用などについて実績と今後の見通しを聞きます。
アンケート内容は企業が自社の業況や経済環境の現状・先行きについてどう見ているか、といった項目に加え、売上高や収益、設備投資額といった事業計画の実績・予測値など、企業活動全般について回答を得ます。

短観は調査の翌月に公表(12月調査のみ当月公表)されるため、直近の景気動向を占う上で重要な経済指数になっています。

業況判断指数(DI)

業況判断指数(DI)とは短観で発表される景気の判断指数のことです。

「景気が良い」と感じている企業の割合から、「景気が悪い」と感じている企業の割合を引いたもので、50が横ばいを表し、これを上回ると「景気が良い」、下回ると「景気が悪い」と感じる企業が多いことを示します。
指数は製造業と非製造業に分かれており、在庫の影響を受けやすい製造業の景況感は景気に敏感に反応するので、大規模製造業の業況判断指数が特に注目されています。

大企業の業況判断は二極化が進む

今回の短観では製造業の回復力の強さが目立ちます。業況判断指数(DI)は大企業製造業がプラス5と前回の2020年12月調査から15ポイントも改善しています。
市場予測は10ポイントの改善を見込んでいましたがそれを大きく上回る結果となり、19年9月のコロナ前の水準を回復しました。

一方で大都市圏で緊急事態宣言が再発令されたこともあり、外出自粛や店舗の営業時間短縮の動きが広がったことが対面サービス業には強い向かい風になっています。
宿泊・飲食サービスは15ポイント低いマイナス81と歴史的な低水準に逆戻りしてしまいました。

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出典:日本経済新聞

雇用人員判断についても製造業はマイナスに転じており、人手不足が目立つ結果となっています。

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出典:日本銀行

先行き頭打ちも

ただし先行きに注目すると、大企業製造業は変化幅マイナス1と頭打ちが見られる様子です。

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出典:日本銀行

要因としては素材価格の高騰が関係していると言えそうです。
大企業・製造業の現状が12月調査を10ポイント上回る15と、19年3月以来の高水準となっています。
上昇幅は4年ぶりの大きさで、先行き判断は18とさらに上昇の割合が増しています。

出典:日本銀行

しかしながら、短観でのアンケートを取った時点では織り込まれていなかったものもあります。
それは足元の急速な円安です。

想定為替レートは保守的だった

短観によると、企業が想定する2021年度の円相場は1ドル=106円07銭となっています。

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出典:日本銀行

なお現在は円安ドル高が進んでおり、1ドル=110円を突破しました。
1ドル=110円突破!ニュースと為替展望解説【金利上昇/経済回復】

このことから輸出企業の業績の更なる上方修正が出てくる可能性もありそうですね。

所感

今回は製造業の回復が目立つ一方で対面サービスの景況感悪化が進み、景況感の二極化が進む結果となりました。

製造業については円安水準が維持されれば見通しは更に明るくなると言えますが、自動車などは半導体不足の影響についても考慮しておく必要があるでしょう。

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また対面サービスについては何と言っても今後の感染者人数の推移にかかっています。
大阪府・兵庫県・宮城県では「まん延防止等重点措置」が適用されるなど余談を許さない状況が続いており、業績回復期待から大幅に株価を上げた銘柄の動きには注意する必要がありそうです。

今後も最新のニュース解説など分かりやすい情報発信を続けていきます。投資判断を行うにあたって少しでも役立てていただければ幸いです。


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