日銀関連ニュースまとめ解説/金融政策決定会合で今後どうなる日経平均株価

日本銀行の関連ニュースをまとめて分かりやすく解説します。

以下の記事も参照していただくとより理解が深まるかと思います。
アメリカ市場ニュースまとめ/日銀ETF買いの行方は?マーケット解説

日銀が金融政策の修正を議論

日銀(日本銀行)は3/18.19の金融政策決定会合で、金融緩和策の一段の長期化を見据えた政策修正を議論しました。

以下は3/18に日本経済新聞にて掲載された検討案となっています。

・政策金利については必要時は深掘りする方針
・長期金利の変動幅は±0.25%程度
・ETF買い入れ原則6兆円は削除


長期金利の変動幅については日銀雨宮副総裁が含みを持たせた発言をしていたことや、ETFについては2021年に入って見直しの動きが見られることから既に予想されていたものと言えます。

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出典:日本経済新聞

日銀雨宮副総裁の発言とは

日本銀行の雨宮正佳副総裁は3/8、日銀がイールドカーブ・コントロール(長短金利操作)の下で0%程度に誘導する長期金利に関連し、「緩和効果が損なわれない範囲内で金利はもっと上下に動いてもよい」との見解を示しました。

先日の黒田総裁による「金利変動幅を拡大する必要があるとは考えていない」との発言と温度差のある形となっています。

同氏の発言を受けて債券先物は夜間取引において下げ幅を拡大する形となりました。

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日銀ETF買いの動向変化

日銀ETF買いについては2021年に入ってから見直しの動きが見られていました。

日本銀行はETF買い入れについて明確な基準は公表していませんが、以下のような買い基準があると言われています。

・TOPIXの前場下落率が0.5%以上
・TOPIXが二日連続下落した翌日、TOPIXの前場下落率が-0.25%以上


しかしながら2月は上記条件でも買いが入らず、2/26に日経が1200円と大幅に下落した際のみ買いが見られました。ただし1度の買いは501億円と規模縮小が見られます。

ちなみに日本銀行が買い入れるETFは相場動向に関わらず買い入れる「人材・設備投資ETF」と、相場が下落した時に買う通常のETFの2種類があり、今回見送ったのは通常のETFとなります。

買い入れがなかったのは2016年3月以来、実に5年ぶりとなっており、市場ではETF買いの見直しに向けた布石との見方が浮上していました。

「より効果的で持続的な金融緩和について」書面を公表

日銀は3/19、同ホームページにて「より効果的で持続的な金融緩和について」をはじめとした書面を公表しました。

・政策金利については必要時は深掘りする方針
・長期金利の変動幅は±0.25%程度

・連続指値オペ制度の導入
・ETF買い入れ原則6兆円は削除


また政策金利の深掘り(=マイナス金利)による金融機関への影響を和らげるため、短期政策金利と連動した「貸出促進付利制度」の創設を決定しました。
金融機関の貸し出しに応じてプラス金利などを付利することでより機動的に長短金利の引き下げが可能としています。

日本経済新聞に掲載された検討案とほぼ同じ内容となっていますが、ETFについてはTOPIX連動のみ買い入れされることとなりました。
これは相対的に日経平均株価で高い寄与度を持つ銘柄の買い入れが間接的に減少することを示しています。
ただし市場が大きく不安定化した場合には大規模な買い入れを行うことが効果的とも明記しており、市場の安定を目的とした買いは継続する方針となっています。

出典:日本銀行

株価の反応

発表を受け、日経平均で高い寄与度を持つ代表格と言えるファーストリテイリング(ユニクロ)の株は急落。ソフトバンクグループや東京エレクトロンなども下落しました。
日経平均株価は終値で29,792円となり、前日比マイナス424円となりました。

出典:Trading View
出典:世界の株価

黒田総裁の記者会見

15:30からは黒田総裁が記者会見に応じました。
※書面で公表した内容については割愛

長期金利について、「金利変動幅を拡大する必要があるとは考えていない」と発言していたにもかかわらず今回の変動幅拡大を行った点については「緩和効果が損なわれない範囲内で金利はもっと上下に動いてもよい」との見解を示し、雨宮正佳副総裁の意見に寄せた結果となりました。

ETF買い入れについては特定銘柄に偏った買い入れとならないようTOPIX連動のみとし、6兆円の文言を削除した理由としては持続性・機動性を強化したものであり、出口議論については時期尚早であると発言。
緩和縮小との見方が市場の一部から出ていることについて「減らそうという意図はない。今後も十分な量を買うために持続性、機動性を増した」と強調しました。
日銀が東京証券取引所の時価総額の内約7%を保有している点については株式市場が健全に機能するための施策であり、市場にとって悪影響を及ぼすものではないとの見解を示しました。

2%の物価安定目標については金融緩和を粘り強く続けることにより達成可能と回答しています。

所感

以前より長期金利の変動幅拡大、ETF買い入れ方針の見直しについて議論されていたものの、買い入れについてはTOPIX連動のみと発表したことなどが嫌気され日経平均株価は急落となりました。

現在のマーケットはアメリカを中心として非常に神経質な状況になっています。
要人発言1つで債券利回りが反応し、株価が乱高下を繰り返す展開が続く中で安易に手を出すのは非常に危険と言えます。
個人的にはFRBがツイストオペの言及、補完的レバレッジ比率(SLR)の規制緩和延長可否を明確にするまでは不安定な相場が続くと考えています。

※ツイストオペ 、補完的レバレッジ比率(SLR)については前回の記事で詳しく解説しています。
【FOMC要点解説】ゼロ金利維持も補完的レバレッジ比率規制緩和延長判断は持ち越しへ!

今後も投資初心者の方向けに分かりやすい情報発信を続けていきます。皆さんの投資知識を深める上で少しでも役立てていただければ幸いです。


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