アルケゴスキャピタル最新情報/トータルリターンスワップについて分かりやすく解説

アルケゴスキャピタル関連のニュースが相変わらず話題となっています。

この記事では金融機関に巨額の損失をもたらしているアルケゴス・キャピタル・マネジメント騒動の更新情報とトータル・リターン・スワップについて分かりやすく解説していきます。

先にこちらの記事に目を通していただくとより理解が深まると思います。

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【アルケゴスキャピタル】野村證券/三菱UFJ株など下落!要因解説【ブロック取引】

騒動の流れ(おさらい)

投資会社(ファミリーオフィス)アルケゴスキャピタルは運用成績が悪化し、金融機関から担保の追加差し入れ(追証)などを求められたようです。
米ブルームバーグ通信によると、アルケゴスは要求に応じず一部の金融機関が担保権を行使し、アルケゴスの保有する資産の処分に動いたということです。

出典:日本経済新聞

しかし担保を売却しても不足分については金融機関の損失となってしまいます。
野村證券(8604 野村ホールディングス)・MUFG(8306 三菱UFJフィナンシャル・グループ)やクレディスイス(CS)などに損害が発生する見込みとなっている他、4/1にはみずほFG(8411 みずほフィナンシャルグループ)についても100億円規模で損失が出る可能性があると報じられました。

JPモルガン キアン・アボホセイン氏によるとアルケゴス関連による金融機関の損失は全体で50億〜100億ドルと推定されるとのことです。

このような巨額の損失が発生することとなった背景には「トータル・リターン・スワップ(TRS)」と呼ばれる取引手法が関係していると言われています。

トータル・リターン・スワップ(TRS)

トータル・リターン・スワップ(TRS)とはデリバティブ取引の一種で、株式を実際に保有せずに運用の損益のみを取引金融機関と交換する取引です。

total_return_swap
出典:WSJ

カンタンにいうと投資家が金融機関に金利・手数料を払って運用の損益だけをやりとりする方法です。

上図にも記載がありますが、資産を保有するのは投資家ではなく取引相手の金融機関であるため、今回の件でいうと大株主の名前に「アルケゴス」の名前は出てきません。

レバレッジをかけて大量のポジションを持っていても金融機関はアルケゴスが取引する投資ポジションの全体像を知らないことをいいことに、複数の金融機関に対して同様の取引をしていたと考えられています。

投資対象が値下がりしてもアルケゴスは追加の証拠金を用意することができなかったため、金融機関に巨額の損失が発生しまったということです。

このようにトータル・リターン・スワップはリスクが高い商品であり批判の声も多くあります。

著名投資家のウォーレン・バフェットは「トータル・リターン・スワップやデリバティブ取引は金融の大量破壊兵器であり、今は隠れているものの潜在的に多大な損害を及ぼす危険をはらんでいる」と警鐘を鳴らしていました。

証券取引委員会(SEC)

アルケゴスの資産は100億ドルにものぼると言われているにもかかわらず、規制当局から直接の監視をほとんど受けていなかったとのことです。

理由としては先述のトータル・リターン・スワップを利用していたほか、「ファミリーオフィス」として運用されていたことが規制の隠れ蓑になっていたと言われています。

※ファミリーオフィスについては後藤達也記者のTwitter記事が大変分かりやすいので下記引用させていただきます。

アメリカの証券取引委員会(SEC)はアルケゴスのようなファミリーオフィスを登録や届け出、情報開示の主な要件で例外扱いとしていることから規制の目が向けられていませんでした。

31日にはようやくSECが初期段階の調査を開始したと報じられましたが、報道によると、調査は市場で大きな混乱が発生した場合に行われる所定の手続きで、不正行為の特定などにはつながらない可能性があるということです。

所感

今回の問題を受けて金融株は軟調な地合が続いています。理由としては

・損害の金額が不確定であること
・同様の高リスク手法を取っている投資家が他にもいる可能性があること
・SECが規制を強める可能性があること

などが挙げられます。

アメリカのバイデン政権が発表した2兆ドル規模の環境・インフラ投資計画を発表したことでマーケットは活気を取り戻しつつあり、市場全体に懸念は広がっているわけではないようですが引き続き一連の動向には注目しておく必要がありそうです。

【アメリカインフラ投資】8年間で2兆ドル/増税・インフレ懸念も!マーケットへの影響とは

また詳細が分かり次第解説記事を公開していきます。
今後投資を行う上での参考にしていただければ幸いです。

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